事前準備
全てのことがそうであるように,OSのインストール・設定にも,事前の準備が重要である。実際に,計画表のように文書化した事前準備もあるし,頭脳・記憶の中で行うだけの準備もあるだろう。
昨年11月に,CentOS8をインストールしたときは,7年前のインストールメモと,私の記憶・想像の中での事前準備のみで,実際の作業を始めた。CentOS6の経験はCentOS8ではあまり役に立たないと考えた。そこで,ネットでの解説記事を参考に,まずは,試行錯誤で行うと思った。実現する機能は,CentOS6の場合とほぼ同じなので,余り難しいとは考えていなかった。実際,スムーズにいった部分もあった。しかし,中々うまくいかず,何日か考えたところもあった。また,方針が間違っていたことに気づき,やり直したこともあった。余裕を取って,1か月くらいと考えていたが,最終的な移行完了は,予定より少しオーバーしてしまった。
これらの経験を,次のOS新インストールのときのために,まとめて置こうと考えたのが,CentOS8インストールメモの投稿であった。しかし,突然の,CentOS開発終了の知らせで,CentOSの利用をあきらめざるを得なかった。そこで後継のOSの候補として,旧サーバーに別のOS,Oracle Linux をインストールすることにした。CentOS8で実現したものとほぼ同じものをOracle Linux で,実現するのが目標であった。これが実現できれば,旧サーバーにに新サーバーの内容を移行し,新サーバーに再度 Oracle Linuxをインストールし,それに旧サーバーのデータを戻すことで,サーバー移行を完了とする予定である。
Oracle LinuxはほぼCentOSと同じであろうという予想から,まだ記憶に新しいCentOS8インストールのメモと経験を使って,インストールを行った。その結果,Oracle LinuxはほぼCentOSと同じであるといことが分かった。そして,今回は,1週間もかからずに,Oracle Linux で求める機能を実現することができた。
現在,CentOS8の新サーバーから,Oracle Linuxの旧サーバーにデータ移行を始めたところである。
Oracle LinuxのインストールがCentOSの場合に比べて,かなり短期間でインストール・設定が可能であったのは,Oracle Linuxは,ほぼCentOSと同じであり,その結果,CentOSのインストール経験を生かすことができたからであった。特に,全体を見て,計画を作り,やり直しや不要な作業を行うことなく,作業ができたのが大きな理由である。勿論,最初のCentOS8のインストールのときは,知識が少なく,あちこちのネットの記事を参考に試行錯誤的に行っていたので,全体を見ての計画などそもそもできなかった。しかし,一度インストールした後は,全体をある程度見渡すことができ,それを生かすことで,短期間に可能であったのと思う。
このメモ,そしてこれに続くメモで,その経験,そしてそれから得た新たな工夫を纏めて,次回の参考としよう。
インストールに先立ち,予めいくつかのことを検討し,決めた。それは以下の通りである。これらを確認しておくことで,大分時間の節約になったと思う。
- サーバー名は自分が所持しているドメインを使った名前とする。
SPFやDKimでDNSでの設定が必要となり,VPSのデフォルト名では対応できない。 - サーバー名はインストール時に決めて,後で変更はしない。
サーバー名は後で変更は可能であるが,インストールしたソフトとの整合を取る必要があり,変更はかなり面倒になることが多い。 - サーバー名のIPアドレスをDNSに登録しておく。
- インストール時にできるだけ多くの設定をして,後でそれを変更しない。
パーティションも決めて置く。 - GUIでの利用は考えない。
- SELinux を使う。
- ファイヤーウォールは既定のゾーンを使う。workを自宅からのみアクセス可能とする。
- 複数のバーチャルドメインを利用する。
- ソフトの設定では,デフォルトの設定をできるだけ使う。
- 利用するソフトは主として以下の通りとする。
- sshd
- cockpit
- vsftp
- httpd(apache),ユーザーは apacheを使う。
- php7.4
- mysql
- phpMyAdmin
- wordpress
- simple machines forum
- postfix
- dovecot
- mailman
- clamav
- 署名関係では次を利用する。
- letsencrypt
- SPF
- opendkim
- ソースファイルを用意する。
OracleLinux-R8-U3-x86_64-dvd.iso 8.60 GB (9,235,857,408 バイト)
をダウンロードした。
以上の準備のもと,実際のインストール作業に入った。