VPSの運用

 VPSの運用は自宅のPCなどでLinux を運用する場合より,難しい面がいくつかある。それは,VPSが離れた完全公開ネットワーク上にあることに起因するもので,大別すると次の2つになる。

  1. 作業を基本的にCUI環境で行うことが必要。
  2. セキュリティ重視の運用が必要。

 (1) 現在のOSではGUI環境が標準的備えられており, 目前にコンピュータがあれば, GUI画面でログインを行い,一般的なアプリケーション はもちろんのこと,ネットワーク関係,サーバー関係の操作 もGUI操作で可能である。

 自宅でPCにLinuxをインストールして管理・運用 する場合はこれにあたり, Linux に関する基本的知識があれば,GUI環境で作業が可能であり,比較的容易に作業を行うことができる。

 VPS でも適当な設定を行えば GUI環境での利用も 可能である。しかし,ネットワークからのGUI環境は 標準ではなく,ユーザー自身が状況に応じた環境設定を行わなければ ならない。 しかも,そのGUI環境の設定自体はCUI環境で行わなければ ならない。 従って,少なくともインストール当初は,ネットワークを介した, CUI環境での管理・運用を行わなければ ならないことになる。

 (2) VPSは24時間完全公開ネットワーク上にある。 従って,外部からの種々の攻撃があると想定して管理・運用 をする必要がある。また管理・運用を行う際の 通信も公開ネットワーク上を流れることになり, それらも暗号化を施すなどの設定をした上での運用が 必要になる。

 VPSの運用はこれらのハードルがあるが, 何とか勉強しながら乗り越えて行くことにしよう。

(1) は,viの勉強から始まる。
(2) は,SSHの勉強から始まる。

 VPSの運用は中々ハードルが高いと改めて思う。

CentOS 6.4

 VPSを利用するレンタルサーバ会社を決めると, WebからVPSの申込みをした。 メモリ2G,ハードディスク100G,CPU3コアプランである。 個人のサーバーとしては,恐らく十分すぎるスペックであろう。申込みをすると,すぐにお試し期間として,ログイン情報のメールが来た。そこで, Webでログインし,VPSサーバーのコントロールパネルから, VPSを使用してみた。

 VPSの運用は,OSのインストールから始まる。 標準のものを使えば,インストールの必要もなかったが, 折角なので,新しいものを入れることにしたからだ。

 まず,どのディストリビューションを導入するか決める必要が ある。色々考えた結果,CentOSを試してみることにした。 CentOSにした理由は

  • サポート期間が長い。
  • サーバー向きである。
  • 多くの利用者がいる。

である。このうち最初の理由が最も大きな理由だ。 バージョンを上げるのは手間がかかり, できれば同じバージョンを長く使いたいと思った。

 そこで,コントロールパネルで, VPSサーバーに用意されているISOイメージのうち, 一番新しいCentOS 6.3(64bit)を選択し, インストールをしてみた。 実際にPCの前でインストール作業をしているように操作可能であった。 画面での指示に従って進めていくと, 特に問題もなく, あっけないくらいにインストールが終わってしまった。

 これでインストールを終えて, このまま設定作業に入ることも考えたが, 長いサポートを考えるとき,最新のバージョンが望ましく, www.centos.orgで,CentOSの最新版を調べてみた。 CentOS 6.4が最新版であった。 今インストールしたものの次のバージョンがリリースされていたのだ。

 当時,これをインストールするには,自分でISOイメージを VPSサーバーにアップする必要があった。 難しそうであったが,試してみる価値はありそうだ。 そこで,http://www.centos.org/からダウンロードサイトたどり, ISOイメージを自分のPCにダウンロードすることにした。 いくつかのサイトでダウンロードスピードを試した後, 高速と思われるものを選び,実際にダウンロードを行った。

  • CentOS-6.4-x86_64-bin-DVD1.iso 4.1G
  • CentOS-6.4-x86_64-bin-DVD2.iso 1.4G

である。ネットワークの状態が よく,約30分でダウンロードができた。 これをVPSサーバーのISOイメージアップロード領域に アップすれば,インストール可能となる。

 VPSサーバーのコントロールパネルにある ISOイメージアップロードの 説明に従い 作業を行い,これも約30分で終わった。続いて,このISOイメージを使って,インストールを行った。 これも,すぐに終わってしまった。

 VPSの契約から,OSの選択,ISOイメージの取得と VPSへのアップロード,そしてそれのインストール。 想像していたより遥かにスムーズに,そして, 実にあっけなく作業が終わってしまった。

 想像していた以上に,ネットワークとVPSが順調に動作したようだ。 さい先が良いと思った。これから CentOS 6.4の設定がうまくいくことを期待して, VPS運用の最初の作業を終えた。

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