Pearlblue.net

 VPSを始めたきっかけは,個人的なフリーでないメールアドレスが欲しいと思ったことであった。そこで有料のメールアドレスを扱ういくつかのプロバイダー でその価格・内容を調べてみた。しかし,中々私の感覚に合うものが見つからなかった。そのプロバイダー探しの中で,「レンタルサーバーでメールを利用したらどうだろうか」と思いついた。レンタルサーバーについては,詳しく知らなかった が,色々なところで利用されていることを聞いてはいた。実際に調べてみると,レンタルサーバーは有料メールアドレスに比べて,費用は多少高いが,それでも比較的安価であり,かなりの高機能・柔軟性に富んでいることが分かった。勿論,有料メールアドレスに比べて,自分で色々な管理をしなくてはならないので,コンピューター好きでない人には向かない。

 自分の気に入ったメールアドレスを持ちたいとは誰しもが思うであろう。 そして,この希望に沿うためのサービスは,色々な状況で広く行われている。 勿論メールの仕組みから,全くの自由にということは無理である。 それらの制限の中での,この希望に沿う究極の選択は独自ドメインの取得であろう。 例えば,myabc.net というドメインを取得したとすれば

好きな名前@好きなサブドメイン.myabc.net

というメールアドレスを使うことができる。

 独自ドメインの取得にかかる費用は,jpを除けばかなり安価で,個人的に運用可能である。独自ドメインを取得しそれを実際に 運用するには,サーバーとなるコンピュータが必要となるが, そのコンピュータとして,レンタルサーバーを利用できる。 ここまで調べてくると,「独自ドメインを取得して,サーバーを運用するのが 良さそう」と考えるようになった。

 更に調べてみると,レンタルサーバーとは別に,VPSというものがある。VPSはレンタルサーバーより更に柔軟性があり,何でもできそうである。 但し,レンタルサーバーはユーザーとしての利用,VPSは管理を含めての利用で,その分VPSの方が敷居は随分高い。レンタルサーバー以上にコンピューター好き向きである。いろいろ考えた結果,独自ドメインの取得+VPSにチャレンジすることにした。

 ドメインは,勿論既に使われているものは取得できない。 このドメイン取得はメールアドレス取得目的であったことから,TLDはnetとすることにした。 netは1000円弱/年で利用でき,長期に利用可能である。 取得可能なドメイン名は,取扱業者のWebで簡単に検索でき,それを使って探してみた。しかし,中々思うような取得可能な名前がない。 考えてみれば当然である。 ドメイン名は世界で1つしかない名前であり,誰しもが良さそうと思う名前は,すでに取得されて しまっているのが自然である。

 しかし,根気よく試す価値はある。 それほどポピュラーでなく,良いと思われる候補をいくつも挙げ, それをチェックし続けた。 その結果,その中のいくつかが取得可能であることがわかった。 試してみるものである。しばらく考えて,それらのものお中から最終的に選んだのが

pearlblue.net

で,このサーバーの名前である。聞いた時の響きは悪くないと思う。これ利用して上手に設定すれば,私のメールアドレスとして

好きな名前@pearlblue.net

を使うことができる。

 pearlblueという色がどのような色を指すのかは,実はあまり自信がない。ネットで調べてみると,色々な色と解釈されるようだ,

真珠色に近い青
真珠のような青

のような感じだが,こう言われても曖昧である。「真珠色に近い青」と文字通り解釈すれば,「灰色に近い薄青」になる。「真珠のようにつやがある青」と解釈すると「光沢のある鮮やかな青」になる。ネットで pearlblue で検索し,画像を見ると,後者が多いような感じがする。このブログのタイトル画像はこのあたりの状況を示すものである。薄青から鮮やかな青までグラデーションをかけた作った。

 pearlblueをネットで検索かけると,かなり多くのヒットがある。色々な 人が色々なところで使っている。多くの人が好感をもつ言葉のようだ。 このドメイン名が取得できたのはかなり幸運であったのかもしれない。少なくともネット上で私個人がこの名前を公式に利用できるとして認知されたものである。

 調べてみると,pearlblue.netは数年前まで日本で使用されていた。何らかの事情で手放したのであろう。pearlblueは比較的多くの人々に好感をもたれているイメージがあるので,このサーバーもそのイメージに反しないような内容を公開することにしよう。

“To know the world one must construct it. ”

 しばらく前に,アラン・ケイのことを調べたとき,”A Personal Computer for Children of All Ages”(Aug. 1972)という文書に出会った。この文書はアラン・ケイが Dynabook のアイデアについて書いたもので,計算機の歴史の中で重要な文献の一つである。日本語訳もネットで作られている。

“To know the world one must construct it. “

は,この文書の冒頭にあるAbstractの部分に書かれている。Paveseの言葉であるとのことだ。アラン・ケイの文書も興味深いものであったが,このPaveseの言葉は妙に説得的で,印象に残った。それ以後,これは私の好きな言葉の一つになった。”the world” を文字通り,我々の現世の世界と解釈すると,この文は哲学的な深みを持つものになるが,比喩としてみると,通常よくある状況に対する言葉にもなる。Paveseは前者の意味で言ったかもしれないが,私は後者の意味に解釈して,教訓的言葉として使わせて貰うことにしている。

 その後注意していると,この言葉はしばしばネットでも目にする言葉であり,有名なものであるらしい。Paveseはイタリアの詩人なので,元々はイタリア語で書かれていたものであろう。そう思うと,原語での表現を知りたくなった。と同時に,どんな文脈で語られたのだろうとも興味を持った。しかし,調べてみるとどうも出典が確かでないようだ。WikiquoteのTalk:Cesare Pavese: Unsourcedの項に載っていて,この言葉に関連する確かな出典は,アラン・ケイの上記の文献であった。Wikiquoteによれば,出典が不明なPaveseの言葉とされるものが数多くある。

 このような訳で,原語での言葉を知ることも,語られた状況を知ることもできなかった。しかし,この言葉が好きな言葉であることは変わらない。取り敢えずは,「サーバーのことを知るために,サーバー構築」を進めよう。

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